インターフェースについて その3

・インピーダンス

インターフェースを使う際、気を付けておくべき点の一つです。

音響機器において、インピーダンス(交流抵抗)の低いものから高いものへ信号を渡す「ロー出しハイ受け」という原則があります。
これに従わないと、音が小さくなったりノイズが発生したりします。

中学で習ったオームの法則「V(電圧V)=R(抵抗Ω)×I(電流A)」を思い出してみましょう。
回路全体の抵抗はR=R1+R2…と考えることができます。

なぜ、原則と逆の「ハイ出しロー受け」がいけないのでしょうか。
R1=45Ω(出し)、R2=5Ω(受け)、V=100V(一般家庭用コンセント)として簡単なセットを考えてみます。

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この場合、R=50Ωなので、I=100÷50=2Aとなります。
回路上流れる電流はどこも同じなので、かかる電圧は出し機材45×2=90V、受け機材5×2=10Vですね。

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性能を発揮させたい受け機材は、出し機材の9分の1の電圧です。
こういう差や現象を俗に電圧降下と呼びます。

この電圧降下が曲者で、音を流す力である電圧が低くなりすぎると、音が劣化したりノイズが出たり、故障の原因になったりするんです。

それを防ぐために、「ロー出しハイ受け」で電圧がちゃんと行き渡るようにするのが一般的です。
可能な範囲で不等号を成立させれば問題はないでしょう。

スピーカーとヘッドホンでは、入力も出力もインピーダンスが全然違うので、合ったものを使いましょう。

ロー出しハイ受けは長距離には向かず、その場合はインピーダンスを合わせるマッチングが優先されます。
これは概ね業務用の話で、DTMでそれを意識する必要はほぼありません。

・Hi-Zとファンタム電源について

マイク入力端子のHi-Zは「インターフェース側のインピーダンスが十分高い」ということを示しています。
エレキギターやエレキベースはインピーダンスがかなり高いので、音を損失なく受け取るにはこうした備えが必要になります。

これがない場合は、アンプに近づけたマイクや、ギターに繋げたダイレクトボックスから録ることになります。

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ファンタム電源とは、電流が必要なコンデンサマイクを使えるものをいいます。
大抵+48Vとなっているはずです。

コンデンサマイクの仕様に「対応電圧12V~48V」などの記載があるので、マイクの対応電圧がインターフェースの電圧をカバーしていればOKです。

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