コーラス

汎用性が高く、目立たないながらよく使われるエフェクトです。
使いすぎると「どの楽器も似た雰囲気の音」という印象を与えてしまうので、使うトラックを見極めるのが大事です。

・効果について

原音をコピーし、その音を少し揺らす、わずかに遅らせる加工をした後混ぜることにより、厚く滲んだような音にするのが基本的な原理です。
強くかけていくと、音程の輪郭が崩れて機械っぽい印象が大きくなります。

聴覚的に、音の尖りをなくす性質も持っています。
便宜上、モジュレーション(揺らし)系や空間系と分類されています。

mix3

・基本的なパラメータ

○Depth、Mix
メインである、コーラスのかかり具合。

○Speed、Rate、Frequency
揺らす速度。コーラスの派手さの部分にあたる。

○Delay
コーラスをどれくらい遅らせて重ねるか。
Depth、Mixが全体的なかかり具合なのに対し、こちらはコーラス効果、質感をどれほど目立たせるかの項目。

・活用シーン

元祖であるエフェクターを使ったエレキギターの音は有名です。
リード系ギター、バッキングギターの両方で使われており、かけ方に個性が現れます。

mix4

オーケストラ楽器やボーカルで、他より少し目立たせたい場合にうっすら使われることもあります。
ソロさせるとコーラスがかってるとわかる程度に、抑えてかけてあげるのがポイントです。

少し高度ですが、リバーブ、残響音だけを抽出してかけ、幻想的にする手法もよく使われています。

シンセサイザーの音とも相性が良く、より特化したパラメータつきで音源に装備されていることがあります。
ただ、シンセサイザーは元々分厚い音が多いので、きつめにかけてもあまり変化が感じられないケースもあります。

原理的に近いため、アコースティックピアノにかけてホンキートンク・ピアノを疑似的に作りだすこともできます。
収録されているものより機械的ですっきりした音色になります。

mix5

一方、曲全体にかけて展開の印象を変えるように使われることは少ないです。
単体で見た楽器の音作りや、他の楽器との効果的な混ぜ方、調整の1つとして使われることが多いようです。

機械的ですが明るく柔らかなイメージが出てくるエフェクトなので、ポップス、ロック、エレクトロニカで大胆にかける、オーケストラやジャズで隠し味程度にかけるというように、ある程度区別しつつ挟んでいきましょう。

※当サイトへのリンクを歓迎いたします。
(管理人へのご連絡は不要です)
PAGE TOP