ダブリング

パン、ステレオ化、M/S処理とはまた違うエフェクトです。
キャラクターが割と強いので、同曲中で使える数は限られます。

・効果について

元々は「ダブルトラッキング」という1つの演奏を2つのトラックに分けて録るものから、わずかにずらして重ね直す手法を指していた言葉です。
なので、基本の原理はショートディレイと変わりありません。

その重ね直し方にパン調整、ピッチ補正、コーラスなどを加えて左右に独立することを意識したエフェクトを総じて指すのに使われます。
この効果はステレオ化より明確で、M/S処理より人工的です。

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単体のエフェクトとして売られていることは少なく、ダブラーなどという名前でマスタリング用のプラグインや音声編集ソフトに紛れていることがあります。

・基本的なパラメータ

「複製トラックの使用」という基本は変わりませんが、重ねる際にどういう工夫を入れこむかはミックスする人の自由であるため、決まり切ったものは特にありません。

簡単なディレイを差し挟んでステレオ化して終わる場合もあれば、ボーカルを実際に2回録って重ねるものであったり、複製したトラックとパン、エフェクトを使い分ける場合もあります。

・活用シーン

リミッターやコンプレッサー、モジュレーション系、歪み系のどれとも異なる形で存在感、音の厚みを増すことができます
空間に作用するものなので、音のキャラクターそのものをなるべく変えたくないケースで力を発揮します。

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これらの特性から、息遣いを壊したくないボーカルや、既に音が作られたエレキギターなど中音域のパートに効果的なエフェクトです。
パンの効果が薄くなる、多用すると個性のない位置関係になってしまう点に注意して使いましょう。

DAWのトラックディレイを利用すれば、ただ単に分けるだけでなく自分でパン、他エフェクトを導入して独自のダブリングを作り出せます。

こうした工夫が新しい魅力的なサウンドを生み出すので、興味のある人はトラックをコピーして、自前のダブリング作りに挑戦してみましょう。

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