ディエッサー

歌モノを作る際には、まず考慮に入れるエフェクトです。
マルチバンドリミッター、コンプレッサーの親戚のようなものです。

・効果について

サ行の発音は、マイクで録ると目立ちやすい高い音、「歯擦音」というものが発生しやすいです。
このエフェクトはその歯擦音を狙って絞るものです。

5kHz~10kHzにかけて抑えたい音が出てくるので、ボーカルの特徴から合った周波数帯を探して使うことになります。
凝ったものは時間経過と変化の総量を見て加工するのもあるため、ボーカルの調整は基本これを使いましょう。

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余談ですが、収録した野生動物の声や荒い環境音などもディエッサーを使うと尖りを抑えた音にすることができます。

・基本的なパラメータ

○Threshold
閾値(しきい値)、圧縮する際の目安になる値。

○Frequency
抑えたい周波数帯の指定、ここをボーカルに合わせる。

○Width
フィルター、イコライザにおけるQ、先鋭度と同じであることが多い。

○Ratio
Thresholdをオーバーした音に対する圧縮率。

○Sensitivity
エフェクトの感度、ディエッサーがかかるアタック度。

・活用シーン

ボーカルの調整が主になりますが、対応帯域が広いものは単独で動的、ダイナミックに使えるマルチバンドコンプレッサーとしても扱うことができます。

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歯擦音の帯域は他の楽器でも目立ちやすい部分なので、それを抑えるのにも使えます。
特に金属を叩くタイプの楽器は成分が近いので、効果がよくわかると思います。

特徴的な音作りには向いておらず、整える用途での使用が大半です。
他のエフェクトの良さを満遍なく活かしたいなら、差し挟む順番は先のほうがいいでしょう。

このエフェクトに持ち前の役割を遂行させる場合は、ボーカルの帯域の特徴を掴むことが不可欠です。
耳の感覚を鍛えることも大事ですが、イコライザ、スペクトラムアナライザで答え合わせもしながら調整しましょう。

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