イヤホン、ヘッドホン、スピーカーについて その4

・リスニング用とモニター用

様々な製品がありますが、メーカー側がリスニング用、モニター用と称して売っていることがあります。

リスニング用とは人との通話用やクラブミュージック用など、鑑賞、消費を主な目的として売り出されているものです。
目的に合わせて俗にいう「味付け」がなされているものが多く、好みで選ぶタイプです。

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音の繊細さや低音や高音を抑え、聴き疲れしにくくしているものや、逆に低音や高音を強調する「ドンシャリ」で迫力を重視したものなどがあります。

一方、モニター用は「音の粗探し」をするのが主な目的であり、定位感や解像度に優れ、低音や高音を余すところなく、偏りなく再現するほど良いものとされます。

その性質上、長時間の使用は疲れやすくあまり向きませんが、DTMでの楽曲制作で音作りや最終調整を行う時にはこちらがメインになります。

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メーカーによって傾向や差があり、はっきりした基準は存在しませんが、実機テストできる環境で謳い文句と比較すると、自分に適した製品を見つけやすくなります。

・結局何を揃えればいいの?

これらの製品は青天井であり、上を見れば資金がいくらあっても足りません。
方向性を決めずに商品を選んでいると、あっという間にオーディオ沼に溺れてしまいます。

筆者としては、まず予算内でモニター用ヘッドホンとパワードスピーカーを1つずつ決めるのをお勧めします。
品揃えが豊富で、大勢の聴き手の環境に落とし込んだ場合も違和感が少なく、頭内定位と頭外定位を区別して制作できます

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また、高いモニター用機材を用意できたら、廉価な機材を複数用意するのも効果的です。

高級機器はその分再現性が高く、音を作りこむのに適していますが、その微細な調整が一般的な廉価帯の再生機器で及ぼす影響は少ないです。
それよりも曲の根本的な作りを見直したほうが良くなる可能性は高いでしょう。

複数の環境を用意すると、バランスをとるといった点でも偏らず不安が少なくなります
有名なアーティストでも安い機器を併用して最終チェックすることは珍しくありません。

資金面で直接数を用意しにくいのであれば、配線を工夫してテレビやPCのモニタースピーカーを利用するのもいいでしょう。
音楽専用ではないものの、「別環境のモニター」としてあるとないとでは大きく違います。

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