更なるリズムテクニック その2

・音色の交代について

ハイハットとライドシンバルの使い方で軽く触れましたが、リズムをうまく聴かせるためには音を重ねるだけでなく、入れ替える、組み合わせる発想が不可欠です。

特にベースの音は、アコースティックベースとシンセベースのように相当個性が離れているものでない限り、同時に演奏されることはありません。
オーケストラの複数のコントラバスなども、基本的には同じ楽譜を弾いて存在感を強化するのが目的なので、同じ音として扱われます。

低音系はその役割上、単独、単音で演奏されることがほとんどです。
そのため、低音系楽器を複数同時に扱う場合、入れ替わり使用のいいトレーニングになりやすいです。

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噪音系の場合は、バスドラムとトムトムとカホン、ハイハットとライドシンバルとトライアングル、といったように「印象や用途が被りやすい音」を覚えていく必要があります。

同じ音域の音を使いすぎると、ミックス、マスタリングの段階で躓きやすいので、使うと決めた楽器の音を最大限に活かすことを考えましょう。
単純な音の足し引きという発想から脱却できれば、初心者とは言い難い技術力になっていると思います。

・オーケストラの自由なBPM

クラシックを調べてみると、明確にBPMが決められていない曲が多いことに気づきます。

元々、音楽は宗教や祭事発祥だったりするので、口承のものも多いです。
複数の歌手と奏者の意思疎通、合奏のために必要とされるまで、BPMや拍子という概念すらなかった時代もあります。

理論や楽器が発達しても、「だんだん速く」「気ぜわしく」といった抽象的な指示はなくなりませんでしたし、今の演奏においても指揮者と奏者によって曲の印象は大きく変わってしまいます。

compose_rhythm21

DTMは主にコンピュータが演奏します、コンピュータは「指示された通り」にしか動きません。
何も指示しないと当然同じテンポを無機質に繰り返します。

よって、リアルタイム録音を使わずに実演奏のようなオーケストラを組んでみたい場合は、細かいBPMの変更を駆使する必要があります。

オーケストラが難しい理由は、楽器と奏法の把握、理論の理解の他に、こういった再現性の点で作業量が増える難点があるからです。

とはいえ、どこに問題があるかを把握できれば、解決手段も見えるものなので、やりたい場合は挑戦しましょう。
苦労した分、達成感も大きいです。

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