編曲、曲構成について

・編曲面

弦楽器、金管楽器、木管楽器を扱う際、基準となってきた考え方がいくつかあります。

現代で一般的なコード進行という考え方は和音を一つのかたまりとして捉えますが、和声法はその元になった考え方で、それをさらに遡ると対位法という考え方に行き着きます。

この対位法の根底には、かたまりとしての和音が先にあるのではなく、それぞれの楽器が平等に独立した音を奏で、結果的に調和させるためにはどうすればいいか、という方向性があります。

弦楽器はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス。
金管楽器はトランペット、トロンボーン、チューバ、ホルン。
木管楽器はピッコロ、フルート、オーボエ、ファゴット、イングリッシュホルン、クラリネット。

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楽器の種類によって音の性質、選出が近くなるので、編曲には対位法的な考え方と、得意とする音域が指標になります

本サイトのハーモニーからの作曲の記事でもコード進行の考え方をしているので、それを土台とするなら構成音をばらして担当させるのが楽な方法です。
コード進行という考えに囚われずにやりたいなら、メロディー作成の要領で重ねていくのがいいでしょう。

理論の発達は、単声→2声、3声と増え始めて対位法の発展→さらに音の数が増え、和声法の発達という経路を辿っています。
和声法和音同士の連結を重視した理論で、比較的自由なポピュラー和声と違い、禁則などの様々なルールがあります。

理論に則った曲を作ろうとすると勉強量、作業量が多くなるのがオーケストラのネックですが、それらを特に厳守しなくても曲は作ることができます。
微妙な音の差が合奏した時に現れるので、試行錯誤と音の特性の把握を心がけてください

曲を書いていくうちに、「この音は濁ってて嫌だな」「この連結は単調すぎて面白くないな」というのが出てくるので、その時に理論を学んでも十分です。

・曲構成

一般的な歌唱曲とは違い、楽式という形で区分されることが多いです。

一~三部形式、カノン、フーガといった旋律などのミクロな視点で見られるものと、ソナタ形式、マルチストレイン形式といった曲全体と和声の流れなどのマクロな視点から見られるものがあります。

厳格な楽式で作るのは理論の理解と作曲に対する慣れがないと難しいので、最初は特に意識することなく作りたいように作るのがいいと思います。

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