よく使われるテクニック

・程よいノイズを含んだ音源の選択

基本的に生演奏感が欲しいジャンルなので、リアリティのある音源がよく使われます。

ジャズ用のトランペット音源などは乾いた軽い音に調整されていたり、ギターはフレットノイズなどを細かく再現するものがあります。
打ちこみで調整すると言っても、元の音源の出来に曲が左右される面も否めません。

オーケストラ用の音源をそのまま使うと澄んでいて上品すぎるため、キャビネット系のアンプやフィルターを挟んで雰囲気を変える必要があります。

DTMではジャズ用の音源は少なく、探すのが大変です。
特にサックスは人力による表現の幅をプログラミングで再現しにくく、聴き比べると差は一目瞭然ですので、使う際はある程度の割り切りが必要になってきます。

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・細かいベロシティ、ピッチベンドコントロール

とはいえ、実物のジャズに近づける方法がないわけではありません。

その代表格がメロディー作成の記事でも解説した、ベロシティとピッチベンドの調整です。
意識の集まる金管のメロディーに、思い切った激しい変化を与えられるのはジャズの特権かもしれません。

ブラスやサックスのセクション、合奏を用いたフォールダウンという手法もよく使われます。
奏法が用意されていればそのまま使えますが、ない場合は次の2通りで作れます。

1.
発音した後に、ピッチベンドを素早く下げるようオートメーションを書きこむ。
トランペット、トロンボーンなどではこちらが自然、表現に過不足ないようにベンドレンジも調整する。

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2.
鍵盤のグリッサンドと同じように、各音階を細かく階段状に打ち込む。
サックスの発音はこちらが自然、本物らしさはともかく、アタックを潰してつなげるとより滑らかになります。

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・フィルター、シミュレーターの活用

フィルターといってもイコライザのような帯域調整だけでなく、ラジオを通したような音を再現したり、レコード再生っぽくするものもあります。

これらは正確にはシミュレーターに属するものですが、ジャズにはかなり相性のいいエフェクトです。
稀にオーケストラやロックでも古めかしくするために使われますが、数としてはジャズが最も採用数が多いように思います。

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演奏される場所の面から、ルーム系のリバーブとも相性が良く、本物の雰囲気に近づけることができます。

・実践例

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