編曲、曲構成について

・編曲面

自由なイメージの強いジャズですが、実際の編曲では音楽理論をある程度ふまえておかないと雰囲気の出ない、気難しい側面があります。

まず伝統的なものを目指すなら、大きな特徴であるセブンスコード、テンションノートの多用が挙げられます。

作曲の記事ではトライアド(3和音)のメジャー、マイナーコードを安定する響き、基準として解説しましたが、この安定する響きをセブンスに、頭の中で置き換える必要が出てきます。

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メジャーであっても濁り気味なので、最初は抵抗があるかもしれません。
踏ん張ってセブンスのコードをつなげられると俄然曲っぽくなるので、開拓精神を保つのが大事です。

テンションノートもスケールを正確に捉えておかないと音を置けないので、ジャズでよく使われるスケールを把握することを優先しましょう。
独特の音の重ね方、濁りは割と計算されて出されており、典型的なものを作りたいなら特にブルーノート・スケール習得は必須と言えます。

ビバップのようなコード進行に沿ってアドリブ演奏をするようなタイプなら、作曲でも同じような形で進めることができます。

先にコード進行を作り、それを再生しながら好きなように鍵盤を弾くと、あまり細かいことを考えなくてもジャズの雰囲気を作ることができます。

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スウィングのような大編成のものは、楽器の担当音域を尊重して編曲することになります。
微妙に違う旋律を奏でたり、パターンを厳密に揃えない傾向のオーケストラに対し、ジャズは大人数が同じ音の移動をしたりする大胆な構造が多いです。

ドラムが目立ちやすく、シンコペーションが多くみられるのもジャズの特徴です。
どこで、どれくらいの頻度でシンコペーションを挟むか、というのは作曲者の感性にかかるところが大きいです。
厳しいですが、上達は数を重ねるのが一番の近道だと思います。

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モード・ジャズやフリー・ジャズは闇雲に音を出せばいいというものではなく、従来のコード進行やスケールからの脱却を明確に意図したものです。

よって、前述の伝統的なジャズの曲構成を実践、理解した後に挑戦したほうが、より狙い通りの表現になるでしょう。

・曲構成

即興演奏が目玉になることも多く、決まり切った主題を繰り返すことは少ないので、構成は自由度が高いです。
似たような部分を減らして飽きさせない、変化の多さが受け入れられやすいジャンルでもあります。

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