ファイルの規格

デジタルで音楽を扱う以上、ファイルのフォーマットに関しても正確な知識を入れておきたいところです。

・圧縮形式と可逆性

「インターフェースについて その4」で基本を解説致しましたが、音声データは繊細さを確保するほど容量が大きくなります
そのため、ラフな環境での鑑賞などでは圧縮して容量を削減したフォーマット、規格を使うのが一般的です。

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大半のものはデジタルデータとして圧縮したり、可聴域ぎりぎりの音を省略し、再生時に加工して付加するなど、音響技術の複合により圧縮を実現しています。
これらの方法は元の音からある程度データを削除するため、元に戻すことができなくなるタイプで、非可逆形式と呼ばれます。

非可逆形式は再生時の負担が軽く、容量を大きく削減できるため広く普及していますが、復元性がないのがネックです。

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復元性を確保するため、暗号化と変換のみで圧縮を実現する可逆形式の圧縮フォーマットも存在します。

実質的なデータ損失はありませんが圧縮しにくく、圧縮率を高めようとするとエンコード・デコード共に処理能力をとられる傾向にあるため、普及は一部に留まっています。

圧縮をする前の段階のものは非圧縮形式として扱われます。
容量が非常に大きいですが、制作時のマスタートラック、音源としてはこの形式で保存、使用します。

それぞれ、有名なものを挙げておきます。

・非可逆形式の圧縮フォーマット

○mp3
音質面ではやや不利ですが、最も普及していて汎用性の高いフォーマットです。

○vorbis
PCで使用機会が多い形式。
oggというコンテナ内で扱われるもので、ogg自体は他のフォーマットも扱っている。

○aac
映像でよく使われるフォーマットだったが、音楽専用のコンテンツでも対応が増えてきている。

○wma
Microsoftの独自形式、圧縮率は悪くないがあまり普及していない。

・可逆形式の圧縮フォーマット

○flac
oggコンテナで採用され普及率が高まった。
エンコード・デコードは速いが圧縮率は低め。

○ape
Monkey’s audioとも呼ばれている。
圧縮率は高いが、変換は遅い。

他にも、「Lossless」表示のものは可逆のフォーマットです。

・非圧縮形式のフォーマット

○wav
Windowsで一般的な形式。

○aiff
Macで一般的な形式。

○bwf
タイムコードをつけられる、テレビや映画などの映像業界でのスタンダード。

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