注意点

ジャンル、目的、エンジニアによってやり方は大きく変わってしまいますが、注意点を挙げておきます。

・ステレオ音響機器と低音

箱と呼ばれるライブハウスでEDMを流したりする場合は、流れる音だけでなく、ダンスを踊るリズムの基盤となる低音の振動も考慮します。

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ほとんどの音源は2mix、ステレオで取り扱われますし、制作もそれが一番多いです。
これらのことから、バスドラムなどの低いリズム音を左右に増幅する手がよく使われます。

具体的にはダブリング、M/S処理などを使って、左右の位相をずらしたりS成分の音量を上げたりします。
このような処理を挟まないものは全体に均等になり、結果的に目立たない音になります。

厳密にはミックス段階の手法ではありますが、ライブハウスなどの大きな音響設備で流れるものと、光学メディアやネット配信などの個人で聴くものでは異なったマスター音源が用意される場合があります。

・リバーブの逆算

機材が発達しDTMのチャレンジがしやすくなったとはいえ、住宅環境の問題解決や防音室の準備はまだ難しく、お金もかかります。
スタジオを借りるのが一番安上がりになることも多いです。

大きな環境で音源を流す場合、そのまま自然な残響音が付加されます
解像度を重視してヘッドホンでモニターしているとリバーブを強くかけがちですが、そのまま持っていくとぼやけて聴き取り辛い音になってしまいます。

通常、振動板の大きさと高音の細かさは反比例するので、大きなスピーカーを使った時点で反響がなくても勝手に音は拡散します

また、空間を通すほど音はなだらかになるので、外で流すような音源はリバーブを控え、少しくっきりめにしておきましょう。

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・リミッターとピーク音量

実はハード、ソフト、どんなプレイヤーにも出すぎたボリュームを切るリミッター機能は存在しています。
独自の味付けをするイコライザやアンプを持っているものもありますが、共通して大きなボリュームで再生するとその性質が顕著に浮かびあがります。

ある程度の割り切りは必要ですが、音割れ、クリップ変化の影響を少なくするため、ピーク音量0dBちょうどの制作は避けたほうが無難です。

筆者はピーク音量を-0.1dBに切り揃えていますが、-0.3dBくらいにする方もおられるようです。
高価な機材でも廉価な機材でも影響が出るところなので、覚えておきましょう。

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