よく使われるテクニック
・素材の活用
生演奏感がなく、DJがターンテーブルを操作するようなのを除けば、BPMが変わることもほぼありません。
機械的なリズムを刻み続けることの多いエレクトロニカでは、BPMの固定された素材がよく差し挟まれます。
既存の楽曲から一部を切り取り、タイムストレッチ(時間で伸縮)など加工して使う手法であるチョップ、機材を荒く扱ったり壊れた時のような印象を与えるグリッチなど、他ジャンルでは取り入れにくい手法も多く使われます。
有名なオーディオ素材をそのまま使うと没個性になってしまいがちなので、エフェクトでキャラクターを変えたり、ハーモニーさせる音に特色をもたせたりしましょう。
不規則に変化させるのが飽きない曲作りに一役買います。
機械的なエフェクトがネックにならない反面、意外性のあるものを作るには貪欲な創意工夫が求められます。
・エフェクトの活用
ミックスの記事で詳しく解説しますが、典型的なものと効果を列挙してみます。
○フィルターの開閉
特性によってローパス、ハイパス、バンドパス、ノッチなどの種類がある。
展開に合わせて音を絞ったり開いたりするのによく使われる。
○リバーブで重厚に
減衰の綺麗なアルゴリズム系リバーブとの相性が良く、高音に特徴あるプレートなども多用される。
他のジャンルより深く長くかけられていることが多い。
○ディレイで修飾
やまびこのような反響音を作るエフェクト。
一定の速さで左右に揺れるオートパン、広がりを持たせるラウドネスなどとセットでよく使われる。
小さい間隔でかけるとダブリングや残響のようにもなる。
○ディストーション、ビットクラッシャーで壊す
いわゆる歪む系のエフェクト。
初期設定的に調整するパターンと、曲中で激しく変化させてクセをつけるパターンの2通りがある。
○フランジャー、フェイザーのうねり
継続的に音が変化するので、音価のある伴奏の音で効果が高い。
ブチ切り気味のメロディーにきつめにかけてキャラクターづける場合もある。
・高めの音圧で仕上げる
音圧を上げると、オーケストラやジャズなどのリアルな楽器の音像は崩れてしまいがちですが、元々楽器じみていない電子系の音は影響が少なく、飽和感が良い方向に作用することがあります。
音圧は高ければいいというものでもないですが、このジャンルにおいてはドラッグじみた曲調になる相性が良さがあります。
・実践例
(管理人へのご連絡は不要です)